木材博物館は国産材及び、世界中の木材の種類、特徴などをご紹介している木材図鑑です。

エンジュマメ科 | 広葉樹

エンジュの板
原産地
エンジュは元々、中国原産の樹木でしたが現在は国内で植樹された事によって日本全国の広い範囲で生育を確認する事ができます。
比重
気乾比重: 0.63 (0.54~0.70)
強度
やや硬い
エンジュの木
その他の名称
槐、イヌエンジュ、犬槐
学名:[Sophora japonica]
価格
高価
色調
エンジュの辺材は淡黄白色、心材はやや赤みを帯びた褐色で色調が全く違うので心材、辺材の境界を見つける事は特に木材の知識のない人でも簡単にできます。
特徴
エンジュは樹高が15m、胸高直径が50~75cmほどの大きさに成長する木で、日本国内の木材業界において、単にエンジュと言った場合は「イヌエンジュ」を指します。この事からこのページで扱っている情報は全てイヌエンジュのものを掲載しています。
また、本来のエンジュ[Stypnolobium japonicum]は中国原産の樹木で現在、殆ど生育が確認できない状態となっており、木材としてはほぼ流通していません。

乾燥はやや難しい為、時間をかけて慎重に行う必要があります。
加工に関してはやや硬さはありますが強靭で割れにくいという特徴を持っていて完成品の出来が良いので木工家を楽しませる優良な木材だと言えます。
木材としての特徴としては耐久性が高く、腐りにくいので保存性の高い木材だと言えます。また、表面を磨くと美しい艶がでる事から仕上がりが良く、完成度の高い作品を作る事が可能です。

エンジュは国産材としては珍しい暗色系の木材の為、木材としての性質が優れているだけでなく色彩の面でも評価の高い樹種です。

成長が遅いので年輪幅が狭いという事もエンジュの特徴ですが成長の遅さが災いし現在では蓄積量の少ない貴重な木材となっています。

北海道、東北地方ではエンジュの漢字である「槐」という文字から魔よけのお守りとして昔から床柱に利用するという習慣があるそうです。
用途
エンジュは框(かまち)や床柱などの内装材や家具、小物の材料などとして利用されます。
また、折れにくく、割れにくいという特性を持つ事から、彫刻や細かい細工物の材料としても重宝されています。

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