木材博物館は国産材及び、世界中の木材の種類、特徴などをご紹介している木材図鑑です。

ナラブナ科 | 広葉樹

ナラ板目
▲ ナラの板目
ナラの木
原産地
全国的に分布していますが良質の材が取れるのは北海道の北側、及び秋田県のみだとされています。
海外においては中国や朝鮮半島などに分布しています。
比重
気乾比重:0.67(0.45~0.90)
強度
硬い
ナラ柾目
▲ ナラの柾目
その他の名称
ミズナラ
学名:[Quercus crispula]
価格
色調
辺材は白色で、心材は黄褐色。辺材、辺材の境界は明瞭で見分けやすい。
特徴
一般的にナラと呼ばれてる木材は正式にはミズナラといい、アメリカなどで生育しているホワイトオークと同じブナ科の樹木になります。稀にミズナラではなく加工性の悪いコナラがナラとして流通している事もあります。

ナラは裂けにくく硬いという性質を持っている事から、江戸時代までの日本においては木を裂いて製材するという方法しか殆ど用いられておらず、ナラの木を扱いやすい形の木材にする事が困難だった為、木材として利用される事は殆どありませんでした。
しかし、その後、大型の製材機が普及し、ナラの製材が容易になった事で硬くて強度のある良材だという事が知れ渡り、日本でも広く利用されるようになりました。
ナラは硬さのあるしっかりとした樹種ですがクセがなく刃物の通りが良いので加工がしやすい木材です。ろくろ加工にも向いています。
心材は特に問題ないのですが外側の辺材部分はヒラタキクイムシの害を受けやすいようです。菌に犯されやすく変色しやすいという欠点も持っています。
虫による害を防ぐ為には人工乾燥の熱によって虫の卵を殺したり、目止め剤で導管孔を露出させないなどの処置が有効とされています。

また、ナラはケヤキなどの同じ環孔材で道管と呼ばれている穴が無数にある為、塗料などが染み込むのが早いという特徴があります。
あまり匂いがあると言われる樹種ではありませんがかすかに特有の匂いが感じられます。
柾目の木材には虎斑杢(とらふもく)と呼ばれている杢があわられているものもあります。

現在では「ジャパニーズオーク(Japanese Oak)」の名で海外にも輸出されており、家具材として世界的にも大変、人気のある木材となっています。しかし、ナラは成長速度が遅く資源循環サイクルを作るのが難しいという問題も抱えています。
尚、ホワイトオークの方が放射組織の隙間が広く、ナラよりも更に硬いとされています。
用途
ナラは世界的な銘木として知られているオークのような強靭さと強度を持ち、外観にも風格がある為、主に家具の材料や内装材、化粧単板として利用されています。
また、ウイスキーの醸造樽の材料としても有名で液漏れが起こらない上に導管孔からは微かに空気が入る為、まろやかな味に仕上がると言われています。

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