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ヨーロッパイチイモクレン科 | 広葉樹

ヨーロッパイチイの板
原産地
ヨーロッパ全域、およびアフリカのアルジェリア、イラン北部、ヒマラヤ山脈周辺、ミャンマーなどに分布しています。
比重
気乾比重: 0.67
強度
硬い
特徴
ヨーロッパイチイは樹高が13mほどの大きさになる針葉樹の中では最も重く、耐久性のある樹種のひとつです。
乾燥に関しては容易で問題なく、乾燥の際の狂いなどはほとんど見られません。乾燥後も安定した木材になります。

強度は針葉樹の中では高く、木理が通直なものは曲げに対する耐性は非常に高い。しかし、しばしば弾力性が低いものもあるようです。

加工は木理が通直のものは容易で手道具でも機械でも思い通りの加工ができ、油分が多い為、仕上がりは美しい。釘打ち、ネジ止めに関しては割れやすい木材の為、ドリルなどで下穴をあける必要があります。また、交錯木理のあるものは裂けやすい傾向がある為、扱いづらい。

虫の害を受けやすい樹種なので、虫害が予想される箇所での使用は避けるべきでしょう。
ヨーロッパイチイの木
その他の名称
ユー
学名:[Taxus baccata]
価格
希少
色調
辺材は黄白色で、心材は橙褐色または赤褐色で暗紫色の縞がみられます。辺材と心材は別の木ではないかというほどの違いがある為、境界は明瞭です。
用途
ヨーロッパイチイは主に木製家具の材料や内装材として利用されます。また、その見た目の美しさなどから、しばしば楽器などにも利用されるようです。
また、戦争に長弓が使用されていた時代ではイギリスで弓の材料として高く評価されていた木材です。
まれにバール杢がでているものがあり、そういった木材はスライスカットされて、化粧単板としても利用されますが、反りやすいというあまり好ましくない特徴も持っているようです。
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