木材博物館は国産材及び、世界中の木材の種類、特徴などをご紹介している木材図鑑です。

ヨーロピアンライムシナノキ科 | 広葉樹

ヨーロピアンライムの板
原産地
ほぼヨーロッパ全域に分布しています。
比重
気乾比重: 0.54
強度
やや軟らかい
特徴
ヨーロピアンライムは樹高が25m、胸高直径が1mほどに成長する木で、アメリカのアメリカンバスウッドや海外ではジャパニーズライムなどと呼ばれている日本のシナノキとよく似た樹種です。
乾燥は容易におこなう事ができ、時間もかかりません。乾燥中の変形などの劣化もほとんど見られませんが、まれに割れを起こす事があり、乾燥後もやや狂いが見られる傾向があります。
強度は全体的にやや低く、蒸し曲げの適正も高くありません。しかし、軟らかく割れにくい木材なので、ノミなどを使用して加工すると非常に加工性の高い木材だといえます。
表面が繊維質で毛羽立ちやすいのですが、塗装との相性は良好で、艶出し剤などで美しい仕上がりを得る事ができます。欠点としてはやや軟らかい木材なので、傷がつきやすい事があげられます。

ヨーロピアンライムはヨーロッパ全域に生育しており、成長も早い為、蓄積量も多い事から絶滅の危険性がないので安心して利用できる事も大きな特徴のひとつです。
ヨーロピアンライムの木
その他の名称
リンデン
学名:[Tilia vulgaris]
価格
色調
辺材、心材ともにほとんど同じ色をしている為、境界はほぼ区別がつきません。伐採直後は色が薄く、ほぼ白色に近い色をしていますが、時間が経つと黄色みを帯び、淡黄白色になります。
用途
ヨーロピアンライムはどの方向に切削しても割れにくいという特性から、彫刻や、木製の玩具などの小物の材料として利用され、他にも道具の柄、まな板など幅広く使用されています。
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