木材博物館は国産材及び、世界中の木材の種類、特徴などをご紹介している木材図鑑です。

マテバシイブナ科 | 広葉樹

マテバシイ写真1
原産地
国内の主に関東以南の地域に生育しており、沖縄などにも分布しています。
比重
気乾比重:0.61
強度
硬い
特徴
マテバシイは樹高が15mほどの高さになる硬質の広葉樹です。その名前の由来は九州で使われていたヤリガンナに「マテバ」と言うものがあり、そのヤリガンナの尖った先端部分とマテバシイの葉の形が似ていた事からついたと言う説と、マテバシイはシイの木などと比べるとやや樹高が低かった事から「もう少し待てば(マテバ)シイの木になるのではないか?」という期待からこの名がついたという説があります。

乾燥についてはマテバシイは反りやねじれを生じやすい木材である為、やや難しい樹種です。
しかし、加工性の高い木材だとされており、ノコギリなどによる切削加工もカンナによる仕上げも比較的、容易に行う事ができます。
強度に関してはマテバシイは硬さのある木材として有名な材なので、硬さの必要な用途にも十分耐えうる性能を持っています。
耐久性についてはマテバシイは腐植に弱いという特徴を持つ為、土などと接触する箇所での使用には向いていません。しかし、磨耗に対する耐久性に関してはマテバシイの硬さが活かされ、強い耐性を持っています。

マテバシイは木材として販売されている事が少ないので、ごく一部の地域などを除くと購入する事がやや困難な木材となっています。
マテバシイ写真2
その他の名称
トウジイ、マテガシ、アオジイ、サツマジイ、マタジイ、マテジイ、マテバガシ、クダン、クラニキ、クラルギ
学名:[Lithocarpus edulis]
価格
やや高価
色調
辺材は淡い灰白色、心材は淡い灰黄白色で、色調が似ている為、辺材と心材は区別しづらく、境界は不明瞭です。
用途
マテバシイは家具、建築材や船の櫓櫂など様々な器具の材料として用いられます。尚、マテバシイは前述の通り、腐植に弱い為、建築材として用いる場合は土壌と接しないようにする工夫が必要です。
また、木材以外の用途としてはマテバシイは良い炭になる事で知られており、非常に強い火力のでる堅炭となります。

その他の用途としては家まわりの防風垣としても利用されています。
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